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スーパーアプリとは何か?その利点と開発に必要な要素を解説します


スマートフォンが生活に欠かせない現代、複数のアプリを使い分けることが当たり前になっています。しかし、アジアを中心に、一つのアプリで様々なサービスを利用できる「スーパーアプリ」が急速に広がっています。日本でもLINEやPayPayがその方向へ進化を続ける中、スーパーアプリがもたらす新たな可能性について解説します。

目次[非表示]

  1. 1.スーパーアプリとは何か
    1. 1.1.スーパーアプリの基本的な定義
    2. 1.2.従来のアプリとの違い
    3. 1.3.成功事例の紹介
  2. 2.スーパーアプリの主要な特徴
    1. 2.1.オールインワン機能
    2. 2.2.データ集約と分析
    3. 2.3.安全性とセキュリティの重要性
  3. 3.スーパーアプリのユーザーメリット
    1. 3.1.利便性の向上
    2. 3.2.カスタマイズ可能なサービス
  4. 4.スーパーアプリの開発に向けた戦略
    1. 4.1.市場調査とニーズの把握
    2. 4.2.開発プロセスの計画と管理
    3. 4.3.継続的な改善と成長計画

スーパーアプリとは何か

デジタル化が進む現代において、スーパーアプリという新しいアプリの形態が注目を集めています。日常生活に必要な様々なサービスを一つのアプリで提供することで、ユーザー体験を革新的に向上させる可能性を秘めています。

スーパーアプリの基本的な定義

スーパーアプリとは、プラットフォームとなる一つのスマホアプリの中に、さまざまな機能をもつアプリを統合して、日常生活のあらゆる場面で活用シーンをもつ統合的なアプリのことを言います。複数の機能・サービスが統合されたアプリケーションです。複数のアプリケーションを1つのプラットフォームで管理できるので、ネイティブアプリのようにサービスを個別に立ち上げる必要がなく、操作体系が統一された一貫性の高い顧客体験価値を提供できます。
日常生活に必要なあらゆる機能を統合して提供することを目指すアプリのことです。ひとつのスーパーアプリからさまざまなアプリにアクセスでき、プラットフォームの役割を果たします。メッセージング、決済、ショッピング、配車サービスなど、本来であれば個別のアプリで提供されるサービスが、一つのアプリ内で利用可能になります。

従来のアプリとの違い

従来のスマートフォンアプリでは、メッセージング/SNS・金融/決済・タクシーなどの配車やシェアサイクルなどを使いたければ別個のアプリケーションをOS上のアプリケーションストアからインストールして使うのが普通でした。これに対して、スーパーアプリでは、(一見、関係のなさそうに見えるこれらの用途のサービスたちが)ひとつの大きなアプリの中に、ミニアプリとして用意されています。
従来のネイティブアプリは単一の機能に特化しており、それぞれ独立して動作します。一方、スーパーアプリは複数のミニアプリを内包し、統一されたユーザーインターフェースと認証システムを通じて、シームレスな体験を提供します。ユーザーは複数のアプリを切り替える必要がなく、一つのアカウントで様々なサービスを利用できます。

成功事例の紹介

WeChat(ウィーチャット)は中国ではほとんどの方が使用しているといわれているアプリで、一言で言うと「中国版のLINE」のようなものです。 2011年に中国テンセント社が運営するインスタントメッセンジャーアプリとして生まれ、「メッセンジャー機能」と「ソーシャル・ネットワーキング・サービス機能の融合」が特長です。WeChat上から使用できるミニアプリとしてチャットはもちろん、買い物、チケットの予約、決済など幅広い機能を持っています。
「Alipay(アリペイ)」は中国国内でのスマホ向けキャッシュレス決済サービスです。中国のEコマース企業でBtoBのECサイトでは世界有数のシェアを誇り、Amazonと並ぶ阿里巴巴集団(アリババ・グループ)が提供するAlipayは中国最大のECプラットフォームタオバオの決済手段として普及しました。中国では、モバイル決済の市場シェアの90%以上をWeChatとAlipayの2社で独占しています。
東南アジアでは、Grabは 、2012年にマレーシアで創業され、その後まもなく本社をシンガポールに移すと同時に、バンコクからハノイ、マニラに至るASEAN全域のおよそ300都市にサービスを拡大していった。Gojekは、昔から地元住民の足となってきたバイクタクシー「オジェック(ojek)」を名前の由来とする配車サービス企業として2010年に創業し、現在では多様なサービスを提供するスーパーアプリへと成長しました。

スーパーアプリの主要な特徴

スーパーアプリ

スーパーアプリの成功は、その独自の機能と特徴によるものです。単なる機能の集約ではなく、ユーザーの生活をより便利にする統合的なプラットフォームとしての価値を提供しています。

オールインワン機能

スーパーアプリの最大の特徴は、一つのアプリ内で日常生活に必要な様々なサービスを利用できることです。アリペイアプリを開くと、たくさんアイコンが出てきます。これらのアイコンは一つ一つ異なるサービスを提供しています。国民的によく使われるアプリは、すぐにタップできるようにホームに表示されています。送金・受取、両替レート確認、Uber、航空券や鉄道チケット予約など、生活に密接する便利なミニアプリが集まっています。
例えばWeChatでは、朝起きたら「モーメント」と呼ばれるニュースフィードを確認し、通勤中にはWeChat内のゲームを楽しむ。暇があれば友人とグループチャットを行うのはもちろん、ランチの支払いに使うのは「WeChat Pay」だ。仕事終わりの映画やレストランの予約、タクシーの配車にも活用できるなど、朝から夜までWeChatだけで日常生活が事足りるところまで来ている。

データ集約と分析

スーパーアプリは、ユーザーの様々な行動データを一元的に収集・分析できる強みを持っています。複数の機能を提供することで、スーパーアプリ内の滞在時間を増やすことができます。また、ユーザーの情報を継続して収集でき、より最適化されたサービスや広告を展開できます。
例えば、決済データ、移動データ、購買履歴などを統合的に分析することで、よりパーソナライズされたサービスの提供が可能になります。決済アプリは、潜在的な収益源であるだけでなく、顧客とその消費パターンに関するデータが常に蓄積されているという点でも、非常に価値がある。このデータを活用すれば、あらゆる製品やサービスのマーケティングに役立てることができる。

安全性とセキュリティの重要性

スーパーアプリの利便性の裏側には、セキュリティ面での課題も存在します。セキュリティ面で見ると仮にスーパーアプリのアカウントを乗っ取られた場合、一つのアプリ上から様々な情報が漏洩することにもつながる可能性はあります。名前や住所、決済だけではなく、いつ何を食べて、どこへ行ったかまで個人の行動記録もわかる可能性があります。
特に日本はインターネット上での個人情報開示に抵抗感を持つ人が多く、位置情報共有に対しても比較的ハードルが高いです。大企業の電子決済システムへの不正アクセスや口座の不正利用といった問題も生じており、スーパーアプリの普及自体に時間がかかるという見方もあります。そのため、強固なセキュリティ対策と個人情報保護の仕組みが、スーパーアプリの成功には不可欠です。

スーパーアプリのユーザーメリット

スーパーアプリ

スーパーアプリは、ユーザーの日常生活をより便利で快適なものに変える可能性を秘めています。その具体的なメリットを見ていきましょう。

利便性の向上

スマートフォンで何かをする度に複数のアプリを立ち上げる必要がなくなり、ユーザーにとって一つのアプリで完結するのは利便性がかなり高いです。これまでもアプリ上からのWebリンクを利用したサービス連携は存在していましたが、リンク先のサイトに飛んだ後、個別のIDやパスワードを入れる必要があります。 スーパーアプリではミニアプリとして連携することで、IDやパスワードをその都度入力することなくシームレスに使えることができ、サービス間の断絶のない一貫したユーザー体験が得られます。
また、ユーザーは個別のアプリをいくつも起動することなく、1つのスーパーアプリでさまざまなタスクをこなせることから、スマートフォンのストレージ容量を節約できるというメリットがあります。特に低スペックのスマートフォンを使用しているユーザーにとって、この利点は大きな価値を持ちます。

カスタマイズ可能なサービス

スーパーアプリは、ユーザーの行動や好みに基づいて、サービスをカスタマイズできる機能を提供しています。統合されたデータ分析により、ユーザーの生活パターンや嗜好を理解し、最適なサービスやコンテンツを提案することが可能です。
例えば、普段の移動パターンから通勤時間帯を把握し、その時間に合わせて交通情報を提供したり、購買履歴から好みの商品やレストランを推薦したりすることができます。このようなパーソナライゼーションにより、ユーザーはより快適で効率的な生活を送ることができます。

スーパーアプリの開発に向けた戦略

スーパーアプリの開発と成功には、戦略的なアプローチが不可欠です。市場のニーズを的確に把握し、段階的に成長させていく必要があります。

市場調査とニーズの把握

各国のスーパーアプリの例にも見られましたが、スーパーアプリはその国の状況や背景に合わせて立ち上がっています。政府の投資や国内インフラの状況など、各国の情勢に合わせ、どのようなスーパーアプリが台頭してくるかが変わります。
日本市場においては、日本でのスーパーアプリ化を目指すサービスとしてはキャッシュレス決済を軸にしたものが主になっていますが、ユーザーが求めるものとは一体何なのでしょうか。調査によると、利用したい機能では「ポイント管理・運用」「クーポン」「店頭・オンラインでのキャッシュレス決済」が上位3項目となり、利用したい理由では、「ポイントを貯めやすいと思う」がトップとなりました。

開発プロセスの計画と管理

スーパーアプリの事業で成功するために必要となる最も重要な条件は「利用者(アクティブユーザー)の数」です。当然、簡単かつ便利なサービスを提供できることも必須条件となりますが、どんなに優れたサービスを開発しても利用者を集めることができなければ、社会インフラとも言えるスーパーアプリにはなり得ません。
スーパーアプリの提供を目指すのであれば、まずは軸となるサービスを決め、その市場でトップとなることを目指しましょう。 最初から多彩な機能を実装するのではなく、利便性が高く、差別化が可能なサービスを開発、リリースして、アプリの利用率を高めるために注力することが大切です。

継続的な改善と成長計画

特定の市場でユーザーを獲得できたら、徐々に新しいサービスを増やして対象となる市場を拡大していくのがよいでしょう。各国の例を見ると、中国のスーパーアプリのように必ずしも日常に関わるあらゆるサービスがミニアプリとして入っているわけでありません。やはり中核となる機能と親和性が高いミニアプリとの連携が多いのが大きなポイントです。そして、その経済圏を見たときに足りない機能やサービスをミニアプリで補っていくという構図が共通しています。
スーパーアプリの成長には、技術的な進化も重要です。スーパーアプリのテクノロジーは今後さらに発展し、IoT技術、チャットボット、没入型体験がますます強化されると予測されています。これらの新技術を適切に取り入れながら、ユーザーのニーズに応え続けることが、持続的な成長の鍵となります。

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事業推進部 定松 礼倫
事業推進部 定松 礼倫
バンダイナムコゲームスおよび福岡ソフトバンクホークスを経て、SBギフト株式会社に入社。広範な業界経験を活かし、法人向け販促活動やマーケティング戦略立案・実行を担当。特に法人キャンペーン支援において、多数の成功事例を創出してきました。顧客獲得と販促活動でお悩みの企業様、豊富なノウハウを元にした解決策をご提案いたします。お気軽にご相談ください!
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